6人の人相 その1



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6人の人相 その1

 まずはコチラのジョンジェ君から~。

首陽大君役のイ・ジョンジェ
首陽大君はどんな人物なのか?

王を夢見る野望家。
幼い甥の端宗を殺し、朝鮮の新しい王になろうとする。

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忘れていた。
イ・ジョンジェと言う俳優がとても長い年月を経た俳優であることを!
彼のノウハウは“若くてハンサム。新鮮でトレンディー”
などの修飾語に半分隠れていた。
彼は現場で演技に対する情熱と、徹底することで、
毎回私を驚かせる誠実な俳優だった。

実際に首陽大君をどんな人物として描くか、
キャストはどうするか、悩みは大きかった。
37歳の若さ。
力に溢れ、能力が優れているにもかかわらず、
王に冊封されなかったことから来る冷酷さ、
コンプレックスと欲望の接合体。
私が作品を準備しながら知った首陽大君は、こんな人だった。

『ハウスメイド』を見て俳優イ・ジョンジェが持つ
洗練された高級感と余裕ある姿を首陽大君に適用してみると
面白そうだと判断した。
彼は典型を拒否する人だった。
イ・ジョンジェという俳優に台本が行くと、
いつも創意的な解釈が戻ってきた。
一度、首陽大君の前で何かが落ちるシーンを撮るのに、
手をグルグルかきまわしていた。
ほこりだった!そんな感じなのだ。
彼は私がそこまで考えなかった些細な部分一つ一つを計算し、
気にして演技をしている。
編集を終えた今になってみると、
この人でなければ誰が首陽大君をしたであろう、
という気がする。

映画を見ると、この俳優がどれほど史劇調の台詞を発声し、
王族としての気品とカリスマをどれだけ発散するか分かるはずだ。
世の中に こんなにハンサムで紳士的な悪役がいるだろうか。
セットの裏に誰かが落書きをしていた。
“スヤン 最高!!! ”


 2人目はコチラのガンちゃん。

ネギョン役のソン・ガンホ
ネギョンはどんな人物なのか

朝鮮最高の観相家。
人の運命を見通す秀でた能力で
危険な朝鮮の運命を変えようとしている。

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ソン・ガンホしかいなかった。
キム・ジョンソと首陽大君の間で、重量感が落ちない役者。
映画の巨大な談論を見守る顔が必要だった。
何より、全てを支えてくれる俳優ソン・ガンホの演技力が
切実に必要だった。

午後2時に電話で提案をし、
その日の午後6時に会って一緒に仕事することにした。
そしてシナリオをソン・ガンホに合わせて変えた。
最初のシナリオでは傍観者、視聴者の役に過ぎなかったネギョン役が
彼の参加で一層強調された。
最初から最後までネギョンをたどる映画、
田舎から上京し、漢陽の波風に苦しみ、
再び都落ちするネギョンの一代記になった。

ソン・ガンホはあまり欠点のない俳優なので、
監督に難しいシーンを推し通す自信を与えてくれる。
この俳優と一緒なら怖かったり、回避する場面がなくなる。
“俳優ソン・ガンホ”と言えば思い浮かぶ習慣的なトーンがある。
ところが、今回は違った。
一瞬一瞬、創意的な演技を披露し、
とても奥深いところでネギョンの感情を引き出す集中力を発揮した。
かつて私にはピンと来ないシーンがあったが、
彼はむしろ最後まで行ってみようとした。
20回以上撮ったが、とても気持ちよく撮影を終えた。
嬉しくて吐露しているような気持ち、信じられるだろうか。
お互い意見をやり取りして得る痛快さ。
彼は映画を作ることの楽しみを教えてくれる役者だ。
今回は特に『優雅な世界』に次ぐ2回目というのも大きな助けだ。
二度の撮影で分かったのは、彼が家長のように映画の現場を愛し、
準備してくれると言うことだ。
厳しい寒さと雪のために毎日が強行軍だったが、
彼はそういう時ほど、より熱心になるタイプだ。
スタッフが言ってたよ。
「それがソン・ガンホなんだ!」





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